今年の時計宝飾業界は大変厳しい年になると思います。
新聞ニュースでご案内の通り、
現在のトレンドは給与減、そして物価高。
あとは株価がこんなんですから財布の紐は富裕層も含めてかなり締まってしまいました。
これから梅や桃、桜が花開くように、
財布の紐も開いてくれると良いのですが、
恐らくそうは問屋が卸さないでしょう。
そもそも財布の紐が硬いところに、
金、プラチナ等素材の高騰、
そしてスイスではムーブメントの高騰、
一服感があるとは言え、まだまだ高いユーロ、スイスフラン。
過剰なローン販売に対する規制も強まり、今まで売れたお客さんに売れなくなる。
これだけ売れない理由がそろった年は、なかなか無いのではないでしょうか。
売れないとツライです。
当然です。
でも、こういう時期だからこそ、やるべき事がハッキリする、
または決断し易くなるとも思います。
まず、これからの成長セクターは何か?
自社で伸ばすべきは何か?
徹底的に洗い出し、そこに戦力を投入する。
これから成長しようと思ったら、絶対に取り込むべきは
「外国人」です。
免税手続が出来るようにしましたか?
銀聯カードは使えるようにしましたか?
(うちもこれからですが。。)
あと、自社のお客様ターゲットをどこに設定し、
それに合ったMD、店舗環境、サービスなどが整っているか?
考えるには良い機会だと思います。
私自身、これからは「売れない時代」が長く続くと思います。
次に控える消費税増税で、相当多くのご同業が撤退、廃業を余儀なくされるでしょう。
そういう時代に、「ターゲット」に定めるべきは、商材にもよりますが、
我々は「自分の人生やパートナーの人生を大切に思う人」をターゲットにしたいと思います。
なぜなら、時計や宝飾は本来「ただ生きていく」為に必要ではなく、
何かお祝い事があったときに、それを祝う品として、
または結婚指輪などがまさにそうですが、「絆の象徴」として、
「必要」とされ、商売が成り立っています。
人生における「晴れ」の舞台で、時計、宝飾を買う!
単なる見栄っ張りではなく、そういうタイミングで購入頂ける「素敵なお客様」から指名される店、ブランドであり続けない限り、価格の戦いに入ってしまうと思いますし、
価格の戦いがこの業界で始まることは、「恥」です。
そして、時流に適合しない事業や店舗があれば、
撤退の決断は、正に今だと思います。
今の時点で将来性を感じられないのであれば、
将来性を感じられる事業に経営資産を置き換えるべき。
特に宝飾事業においては現在のプラチナ、金の高騰は
「福音」です。処分損が数年前とは比較にならないほど少ないです。
やり方によっては下手したら利益が出てしまうのでは。。。
この時代にやってはいけないこと。
それは安易な売上げ確保だと思います。
小売で言ってしまえば安売り。
製造で言うと素材の安物化。
卸で言うと、与信リスク度外視の無鉄砲な営業。
今それをやってしまうと、
必ずやってくる「春」に、ライバルに圧倒的優位なポジションを提供することになります。
一度下げたブランドイメージ、
一度傷つけた看板、
一度下げた掛率は
回復は至難の業です。
店頭での割り引きは、
特にお目出度いお買い物の場合はそれを言い出すこと自体失礼にあたることもあるでしょうし、(我々の世代は結構そういう感覚の人多いです!!)
値引きをすることがクセになってしまった販売員さんは、
まったくその気の無いお客様にも「お値引きしますよ」という事を口走ってしまい、
店格を疑われることになり、利益も確保できず、、、悪いスパイラルから抜け出すことが出来ません。
今どれだけ我慢できるか。
我々が世の中に提供できる「本質的な価値」は何かを徹底的に掘り下げ、
そこに全力投入することで、
今、この「売れない時代」は、
ライバルと圧倒的な差をつける大きなチャンスでもあると思います。
人々にとっての「夢」である、「時計」や「指輪」の商売に携わるものは、
絶対に「夢」を捨ててはいけないと思います。
とにかく売れなくて大変だと思いますが、
ハラを決めるには良いチャンスです。
がんばりましょう!
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