「戦い終われば、昨日の敵は今日の友」
というタイトルで、10月18日時計業界の(主に卸売業)同窓会が一ツ橋の学士会館で行われました。
主催者発表によると、平均年齢は68歳とのこと。
当然私は主役のOBの方々とは何の思いでも共有している訳では無いのですが、
主催団体の理事を仰せつかっている関係上、受付スタッフとして参加。
我々株式会社ホッタからは、前社長の父と、元戦艦大和乗組員で、
祖父の右腕だった83歳(たしか)の新葉(にっぱ)さんと私の3名が参加です。
全部で80名以上の参加者があり、和やかな空気ながら、活気溢れる良い会でした。
、、、という風に余裕のコメントができるのも、もう無事終了したから、、、。
当日の朝、司会担当のM社長から突然電話があり、
参加者最年少の人間として、唯一の20代の参加者として、
時計業界の未来の夢を熱く語れ! という突然のご指名。
何でも最後のスピーチ3名の振り分けは、
①最高齢参加者95才、I時計店元社長Iさん
②最も遠方から参加、鹿児島のH社長
③最年少参加者29才、堀田峰明。
ある意味分かりやすい割り振りなのですが、
全く思い出を共有していない私のような若輩者が何を話せば良いのやら、、、
日中の仕事バタバタの合間に思案、思案、思案、、、。
しかし、何も思い浮かばず。
不安と心拍数のみ増すばかり。
会場へ向かうタクシーの中でやっと、
「そうだっ!」
元旦の初詣の時に引いた御神籤の文章を
ブログ(音楽家のほうの)に書き留めており、
それが今日の会にピッタリと閃く。
会社に電話して、携帯メールに送ってもらい、それを紙に書き写し、
手帳の中に仕込み、前後の話の膨らましを考え、あっという間に「その時」が、、、。
心拍数上がったまま壇上に上がり、一礼。
カチコチの状態で話を始めるのですが、会場はお酒も入っており、
懐かしい仲間との再会の場ですから、当然人の話
(特に見覚えの無い若僧の話)を静かに聴くモードでは無く、、、。
しかし、私の悪い!?癖で、人が真面目に話そうと思っているのに、
おしゃべりして聞いてもらえないという状況に直面すると、
「コンニャロー!」とやる気がこみ上げて、、。
気がつけばオカリナ吹きとしての得意技「即興演奏」よろしく
集まった全ての方たちに響くように、気持ちを込めてスピーチを終えていました。
人生の大先輩の方々から拍手を受けるのは、他とは違うありがたさを感じます。
話をした御神籤の言葉の内容は、
今使っている材木は会ったこともない誰かが植えたもの。
それに感謝して、我々は会うことも無い未来の世代のために木を植えよう。
そして膨らませたのは、
自分の時代弱かった高校サッカー部が、
最近県大会上位に進むというニュースを聞くと我が事のように嬉しいように、
我々の世代が頑張って時計業界を盛り立てれば、
卒業した皆さんも「自分達はここにいたんだ!」と誇りに思ってもらえるはず
なので、是非応援をよろしくお願いします!
という内容。
即興なので、流れや言葉尻に変な部分はあったと思いますが、
間違いなく普段から思っていることなので、ちゃんと皆さんに伝わった実感があり、
とても嬉しいです。
そう言えば今日10月20日は125周年の式典を行った日から丸2年。
あの時は新しく社長に就任するに当たってのご挨拶スピーチを行いましたが、
人前でスピーチをするということの「意味」とか「力」というのを実感したのもあの頃でした。
日本は言霊のさきはう国、、という風に言いますが、
多くの人の前で「言霊」を発する事は、一人で何かを喋ることよりも、
ずっと大きなパワーを持つような気が、とてもします。
そこで発した言葉は、相当強い「実現へのエネルギー」を持つような、、、。
帰りしな、何人かの方から愛情たっぷりの「肩を思いっきりバシっ!」を頂きましたが、
その愛情にきっちり応えられるように、これからも面白いことやっていきたいと思います。
何かを一から始めるという満足感も良いですが、
幾千もの人から「バトン」を受け取り走る、という感覚も、
一言では言えない、個人の満足感を超えた感慨があります。
よく経営者は孤独だ、とか言いますが、
この感覚を持っていれば、そんなことないような、
そんな気がします。
よし、がんばろっ。