皆さま、明けましておめでとうございます。
世界中で新しいリーダーが誕生する年回りとなった2012年が幕を閉じ、
日本やお隣の韓国、中国を含め世界中の多くの国で、
新しく選ばれたリーダーと共に幕を開けるこの2013年。
私も新しい気持ちで仕事に臨んで参りたいと思っております。
さて、先日採用面接の折に応募者の女性から
「社長が一番大切にされているものは何ですか?」
という質問を受けました。
この問いに対し、
当社は2つの経営理念
『誠心誠意』、
『お客様のために創意と工夫で最高の質のサービスを』
を掲げていますが、この経営理念が社内に浸透し、
理念を大切にしながら仕事が行われるという
組織風土を築いていくことが一番大切だと思っています。
なぜなら当社が明治時代から同じ業界で130年以上
歴史を積み重ねてくることが出来たのは
この経営理念が象徴する価値観が、
代々社内で受け継がれてきたからだと信じているからです。
と、お答えしました。
こうして文章として書き起こして見ますと、
物凄く「キレイ事」を言っているようで気恥ずかしくもあるのですが、
企業として、また個人として、まず「あるべき姿」のビジョンを掲げ、
それに基づき仕事を組み立てて行くことは競争戦略上物凄く有益であり、
そういった「理念」や「世界観」を掲げ、守っていくことこそ企業トップの役割であると、
地政学・戦略学者の奥山真司氏が提唱されている「戦略の階層」という概念の説明で知りました。
「戦略の階層」とは、ピラミッド型で7層からなる概念で、
上からVISION(世界観)、POLICY(政策)、GRAND STRATEGY(大戦略)、
MILITARY STRATEGY(軍事戦略)、OPERATION(作戦)、TACTICS(戦術)、
TECHNOLOGY(技術)とあり、
より上のレベルから作戦を立てて戦った方が、
下のレベルから積み上げて、または下のレベルに固執するよりも強いという考え方です。
昨今の、世界中のユーザーに明解なビジョン・世界観を提示し、
圧倒的なシェアを得ているアップルと、自社の技術に固執するばかりで
窮乏している多くの日本のメーカーとの対比は、
この考え方から非常に明解に説明されてしまいます。
この考え方を学んでから、より一層自社のアイデンティティを明確にしたところから
「どのような企業でありたいか」という「世界観」を描き、それを最上位に置きつつ、
手がけている事業一つ一つの政策、作戦に落とし込んで行くことを
徹底しようと思いを新たにしている次第です。
一つ具体的に申し上げれば、
弊社の運営するロレックス正規品専門店「レキシア銀座」では、
開店当初より「特別な日の特別なロレックスを貴方へ」
という標語を掲げ、「モノ」を売るのではなく、
「お客様の特別な日に特別なロレックスをお求めいただく場所」
としてどうあるべきか、
「お客様の一生に一回のお買いものをする場所」
として選んで頂く為にはどうすれば良いか、
という問いを立て、店づくりをしてきたつもりではありますが、
今一度現時点のパフォーマンスが、
一気通貫この理念を表現しているかを確認していくことは、
これからの時代を切り開いて行く上でとても大きなヒントを与えてくれると思っております。
最後に、これは私個人の夢すなわち
「ビジョン」や「目指すべき世界観」でもあるのですが、
この業界で働く多くの企業、多くの人々が、
取り組む仕事における「理想とするビジョン」をなるべく高く掲げ、
そこから日々の仕事を組み立てて行くという行為の輪が広がっていけば、
各々の掲げる個性豊かなビジョンの群像は、必ずやお客様を魅了し続け、
この業界が今よりずっと輝きを増し、人材が育ち、
良い人材が集う善循環が起こりだすと信じております。
年頭にあたり、そのようなことを夢見つつ、
今年も一年色々な活動にチャレンジして行こうと思っております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社ホッタ
取締役社長 堀田 峰明